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石膏ボードとプラスターボード、知っておくべき違いとは?

2023年12月21日

住宅やオフィスなど、私たちの身の回りでよく目にする内装材には、「石膏ボード」と「プラスターボード」があります。

これらの内装材は、見た目が似ているため混同されがちですが、実は成分や特性、用途においていくつかの重要な違いが存在します。

本記事では、石膏ボードとプラスターボードの基本的な材質の違いから、それぞれの耐火性、断熱性、耐湿性など物理的特性、さらにコストパフォーマンスに至るまで、詳細に比較し解説していきます。

石膏ボードとプラスターボードの違いとは

石膏ボードとプラスターボード、これらは壁材や天井材として広く使われていますが、それぞれには決定的な違いが存在します。

建築現場やリフォーム時にどちらを選定するかは、その特性やコストパフォーマンスを理解しているかどうかにかかっているといえるでしょう。

材質の違いと特性

石膏ボードは、石膏を主成分とした建材で、優れた防火性や遮音性が特徴です。
石膏の中に空気の層を含ませることで軽量化も図られており、処理がしやすいため施工性に優れています。

一方、プラスターボードは石膏ボードよりもさらに古くから使われている素材で、石膏と繊維質を混ぜたものです。
水分を含むと硬化する性質を持ち、振動や衝撃に対して強いため、耐久性が求められる場面での利用が適しています。

使用場所による選択基準

石膏ボードはその軽量かつ施工性の高さから、特に新築やリフォームでの内壁材、天井材として選ばれることが多いです。

一方、プラスターボードは耐久性や強度を必要とする場所や、湿度が高い場所での使用が適しています。

また、プラスターボードの方が質感が高く、装飾的な仕上げが可能なため、表面の見た目を重視する場合にも選択されます。

石膏ボードの適用範囲

石膏ボードは、主に内装の壁や天井に使用されています。
防音や防火性能が要求されるマンションやオフィスビル、施工のスピードが求められるプレハブ建築などで頻繁に採用されているのが現状です。

軽量で加工が容易なため、デザイン性を重視した曲線的な壁面など、複雑な形状の施工にも向いています。

プラスターボードの適用範囲

プラスターボードは、商業施設や公共建築物の内装に適しています。
耐水性や耐久性が強く、長期間に渡って美観を維持することが期待できます。

歴史的建造物の修復や模様のある装飾壁といった特殊な需要にも応えられる点が特長的です。

コストパフォーマンスと経済性

石膏ボードとプラスターボードを比較する際、単に初期の購入コストだけでなく、トータルの経済性を考慮する必要があります。
寿命やメンテナンスコスト、交換時のコストも含めて評価することで、より経済的に合理的な選択が可能です。

石膏ボードのコスト効率

石膏ボードは初期コストが低く、施工の速さから工事期間の短縮が期待できるため、コストパフォーマンスに優れています。
防火や遮音などの性能が標準化されており、必要に応じた性能のものを選ぶことで、余計なコストをかけずに最適な内装を実現できます。

プラスターボードの経済性

プラスターボードは初期投資は高いものの、耐久性に優れているため長期的な視点で見ると経済的です。
頻繁にメンテナンスが必要な環境でも、その強さから費用が抑えられ、結果として低コストを維持できる場合が多いです。

初期投資とメンテナンスコスト

建材を選定する際は、初期投資だけでなく、メンテナンスコストも重要な判断材料となります。
石膏ボードは安価で取り付けも容易だが、環境によってはメンテナンスが必要になる可能性があるため注意しましょう。

プラスターボードは初期コストが高めですが、メンテナンスの頻度が少なく、トータルコストを抑えることが可能です。

寿命と交換時の経済性

石膏ボードもプラスターボードも十分な寿命を持っていますが、使用環境や施工の質によって交換時期は異なります。
交換作業はコストと時間を要するため、長く使えるプラスターボードを選ぶ場合は、将来的に発生するこうした追加のコストを省ける可能性が高いです。

一方で、石膏ボードは交換が必要になった際のコストが比較的低いものの、定期的なメンテナンスも必要となる場合があるため、綿密なコスト計算が求められます。

まとめ

石膏ボードは撥水性や耐火性に優れ、住宅やオフィスなど幅広い用途で活用されます。

一方、プラスターボードは軽量で取り扱いやすく、造形性に富むことから、特定のデザインが必要な場所での使用が適しています。

コストの面では石膏ボードの方がコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
購入費用だけでなく、メンテナンス費用も長期に渡って抑えられます。

プラスターボードは初期投資は高めですが、交換時の経済性や制作時の柔軟性を重視する方に最適です。

最終的な選択は、用途やデザイン、耐久性、さらには将来のメンテナンスを考慮に入れた総合的な判断をしましょう。